どのバイク・フレームもそうなのですが、開発の際に「この位のステムを使おう」というライダーの好みで、ステムの長さを決定しています。
つまり、バイクがデザインされ、プロデュースされた時には、ベストと思われるステムの長さが決まっているわけですね。なので、ポジション探しのひとつの目安として、開発ライダーの使っているステムのサイズをそのまま使ってみるという方法があります。
でも、「例えば自分はそんなに背が高くないけど、開発ライダーがやたらと長身」 だったり、「開発ライダーは全くバニーホップをしないけど、オレはバニーホップで跳びたいんだぁ!」という場合は、もちろん理想のセッティングは大きく変わってきます。

・ハンドルが近い&高いポジションだと・・・
 「前傾姿勢にならないのでスタンディングや小さな動きを自然なポジションで行える」「マニュアルアップ(ペダルをこがずに前輪を持ち上げる動作)が楽」「障害物に上った後、ハンドルを目いっぱい前に押し出した時にバイクが前に進みやすい」などのメリットが生まれます。
反面、「思いっきり飛び上がるとハンドルバーが太ももに当たる」などの症状が出ます。また、ハンドルが高すぎると、前輪がパカパカと持ち上がりすぎて、ステアケースやバニーホップ、マニュアルがやりにくくなる事もあります。

・ハンドルが 近い&低いポジションだと・・・

  妙に取り回しが重く感じたり、思ったほどマニュアルアップで前輪が上がらなかったりと、総合して乗りにくいポジションになりがちです。トライアルには向かないポジションですね。

・ハンドルが遠い&低いポジションだと・・・

  最近の前長後短のフレームなら基本的なセッティングと言えます。26inだとバニーホップをしないのが前提になりますね。
メリットとしては、「ダニエルなど、前輪を持ち上げた姿勢が安定する」「ステアケースやウイリージャンプなどのテクニックで、しっかりと身体が動かせる」などのメリットが生まれます。
対して、「前傾姿勢となるので、スタンディングや小さな動きに違和感が生まれる」「急な下り坂や前輪を障害物に沿わせて下る時に身体を後ろに引けなくて怖い」というデメリットがあります。初心者さんにはあんまりオススメ出来ないですね。
取り回しがやや重くなる傾向もありますが、これは短いハンドルバーを使うことで解消する様に感じます。

・ハンドルが遠い&高いポジションだと・・

  昔の26inの定番ポジションですね。現代のバイクでも、「ハンドル低め&近かめだと乗れないけど、高め&遠めなら割と乗れますね。バイクによってはやたらと取り回しが軽くなったり、前輪が持ち上がりやすくなったりします。
ただし、ウイリージャンプの様に、「伸び上がりながらハンドルを引っ張る」という動作がやりにくかったり、右の写真の様にハンドルの上に上半身をかぶせて、上半身のハネ上げでバイクを進めるという動作がやりにくくなります。
初心者さんにはOK、中〜上級者さんが自然地形の中で乗るなら向かないポジションだと言えます。

 色々と書きましたが、読んでるだけではピンとこないですよね?書いてても伝えきれてないというのが本音です。
「どうしてもポジションが決まらない!」とお悩みの方、スタンディングした状態で横から写真を撮って送って頂ければいくらかはアドバイスさせてもらえると思います。

また、ハンドルの位置もそうなのですが、ハンドルの角度だけでも載り味は大きく変わります。ハンドルバーのセッティングについてはこちらを参照してください。


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