フリーの良し悪しを語るなら、耐久性も忘れてはいけない大事な要素。
ペダルを踏み込んだ時にバキっという音と共にクラッチが外れてしまう歯飛びという症状は、何とも気持ち悪いし事故にもつながる可能性があります。
フリーギア自体の耐久性も大事ですが、長持ちさせるための使い方も大事です。

まずはフリーギアの壊れ方。

ひとつに、爪を起こすためのスプリングがヘタって=弱って爪をしっかり起こす事が出来なくて、爪がギザギザに届かないケース。もしくは
バネが壊れてしまうケース。

次に、ギアやギザギザがすり減って、両方がしっかりとかみ合わないケース。

もうひとつは、全体的にガタが来てしまうケースです。

 スプリング自体がヘタったり、折れたりするのは機械の寿命、仕方のない事です。一般的なフリーギアなら、300時間程度のライディングが寿命の目安と思っています。
全体のガタつきや爪がすり減るのも、ある程度仕方のない事ですが、長持ちさせるための方法はあります。
頻繁に掃除すること、そしてグリスを使わないことですね。
爪やギザギザ、ベアリングが削れた金属の粉や外から入ってくる砂。これらは、まるでヤスリの様に、爪やギザギザ、ベアリングを更にゴリゴリと削ってしまいます。
頻繁に掃除を行う事で、各部品のすり減りは格段にすくなくなるし、頻繁に掃除して注油するなら、グリスは不要。
金属の粉や砂がグリスにつくと、結局グリスごと取り除く必要があるので、最初っから無い方がお手入れが簡単です。
掃除やメンテナンスについてはコチラのページもご参照下さい。

 

歯飛び

 ペダルを踏み込んだ時にバキっと音がして、ペダルが少し空回りする。これが歯飛びです。
フリーハブの中には、爪やギザギザ自体が大きい物もあって、こういう物は歯飛びを起こしにくいです。

歯飛びの原因としては、爪がギザギザにしっかりと引っ掛からないというのが考えられます。爪やギザギザがすり減っていたり、スプリングが弱っているのが原因のひとつ。グリスがベッタリと着いているおかげで、爪が正常に動かないというのも原因となります。
減っていれば部品の寿命ということになりますが、グリスが着いているだけなら、グリスを洗い流してやれば症状は改善します。

上に書いたのは機械による歯飛びの原因。これとは別に、ペダルの踏み方による歯飛びや故障も考えられます。

写真右が、爪が立ち上がってギザギザに引っ掛かった状態=『クラッチがかかった状態』。写真左が爪がギザギザに引っ掛かっていない=『クラッチが掛かっていない状態』です。

ダニエルで少しずつ前に飛べる様になったライダーさんに多いのですが、クラッチが掛かっていない状態から急激にペダルを踏み込むと、フリー機構には予想外の大きな負担がかかります。
その時には歯飛びが起きなくても、爪やギザギザが痛む原因になります。

『ペダルを踏み込んでしっかりとタメを作る』という乗り方をすれば、自然とクラッチが掛かってからペダルを踏むことになるのでこの問題は解消するのですが、意識しないとなかなか身に着かないというのもまた事実。丁寧にペダルを踏む事が上達にもつながるのでしっかりと練習したいところですね。

   

  フリーギアの耐久性