「フリーギアはノッチが多い方が良い!」という話をよく聞きますよね。この『ノッチ』とは何じゃい?というお話です。

まずは構造から。

  写真はフリーハブですが、基本的にフリーギアも同じ。
ギザギザの着いたフリーボディに対して、爪が引っかかる様になってます。
例えば、ギアの歯のひとつに印を着けて、空回りする方向=左方向にカチカチと回します。
カチカチという音は、ギザギザに対して爪が引っかかる音。ギアが一周する間に、何回カチカチ言うか=何回爪がギザギザに引っかかるか?をノッチ数と呼びます。

 ほとんどのフリーギア/フリーハブは、爪をスプリングで持ち上げる構造になってます。
左方向に回る時は、ギザギザが緑色の矢印に回るので、爪が倒れてギアは空回りします。ペダルを後ろに回しても、バイクが後ろに進まないのはこのためです。
倒れた爪はスプリングによって立ち上がるので、この時に「カチカチ」という音がするわけです。

反対側に回る時は、爪がギザギザにひっかかって空回りしません。
ペダルをこいだ力=チェーンが引っ張る力がしっかりと伝わってタイヤが回り、バイクが前に進む力になります。

ノッチが多いと何が良いのか?

 トライアルのライディングでは、ペダルをこいで、また戻してもう一度こいで・・・という動きが多いですよね。
ノッチが多いと、この戻す時のペダルの空回りが少なくなります。左の写真、オレンジの線がノッチの多いフリーギア、グリーンの線がノッチの少ないフリーギアです。

ペダルをこいで、 また戻す時、戻す距離が長すぎると次のアクションを起こしにくいし、バランスも崩れやすい等の理由で、ノッチ数は多い方が良いという事になります。

 じゃあ、ノッチ数は「多ければ多いほど良いのか?」という話になりますね。
GDRではクランクを一周回す間に60〜70回引っかかれば、性能面では全く問題無いと思っています。
逆に、クランク一周で30ノッチが限界、これ以上少ないと、ダニエルでピョンピョンと前に飛び跳ねるなどの『小さく・強くペダルを踏み込む』という動作の連続が非常に難しくなります。

ついでに書いておくと。。。
クランク1周で30ノッチ以上・・・。フロントフリークランクなら、30ノッチのフリーギアを使用すれば、クランク1周で30回引っかかります。
では、このフリーギアをリアハブに取り付けた場合。20inの18Tx12Tのギア比なら18÷12=1.5で、クランク1周で45回引っかかる事になります。ちょっと難しい話ですが、要は同じノッチ数のギアなら、リアハブ=ホイールに着いている方がクランク1周のひっかかる回数が多くなるという事ですね。

   

  ノッチ数