トライアルでチェーンに求めることは『強さ』です。
アンダーガードやガードリング、ペダルを障害物にひっかける乗り方をするなら、チェーンも障害物にブツけることになります。いきおい良くガツンとぶつけたり、体重がかかった状態でゴリゴリと岩にこすりつける様な事を繰り返すなら、チェーン自体も強くないと簡単に切れてしまいます。
また、障害物にチェーンを直接ぶつける事が無くても、ペダルを踏み込む力で常に引っ張られたり・緩んだりを繰り返していれば、チェーンの金属は弱ってしまうので、いずれは切れるということになります。

チェーンの切れ方は大きくわけて2種類あります。 簡単に言うと・・

・プレートの穴が広がったり、ピンが曲がって外れる
・プレートが割れる

細かく言えばプレートの割れ方にも2通りあるのですが、共通して言える事は、『丈夫であれば切れにくい』ということです。
→写真を見ると、チェーンによってプレートの厚さは全く異なります。プレートが厚いというのは丈夫である事の条件です。

また、プレートを作っている金属自体によっても強さは変わります。
変形しにくい材料、傷がつきにくい材料を使っていること。もしくは傷がつきにくいコートがしてあるのも有効ですね。

もうひとつの強さ

 『切れにくい!』というのはもちろん大事な要素。ライディング中にチェーンが切れるとかなり痛い思いをする事になります。
もうひとつの強さ、それは『ペダルをこいだ力が、チェーンが伸びて逃げない』ということ。
ブレーキをかけたままペダルを踏み込んでタメを作る時、柔らかい材質で出来たチェーンやプレートの薄いチェーンだと、チェーンが伸びる事でせっかくペダルを踏み込んだ力が、フレームをしならせる力や大きく跳ぶ力に使えなくなってしまいます。
「チェーンも伸びるし、その伸びと縮みを加速に利用する」という方法論もありますが、自転車に使う細いチェーンで得られる伸び・縮みの効果よりは、フレームをしならせたり、ペダリングの力を直接前に飛ぶ力として使う方が有効だとGDRでは考えています。
「軽量化のために細いチェーンを使いたい」というのも、良いバイクを作るためのひとつの方法だとは思います。でも、チェーンに関しては軽さよりも強さの方が重要ではないかと思うのです。

  チェーンに求めること