「スタビ」。コーヒー屋さんじゃないですよ。
ブレーキスタビライザーの略で、ブレーキブースター(=効きを加速させる物)なんて呼ばれる事も有ります。
スタビライザーとは、リムをはさんでホイールの左右にあるブレーキ本体をつなぐ「板」です。

  ブレーキレバーをギュッと握った時、ブレーキシューはリムをはさみ込んでギュッと締めつけます。ブレーキレバーを握れば握るほど、シューはリムを強くはさみ込んでうなる様なブレーキングを・・・してくれると良いのですが、そう上手くはいきません。

学校のの物理の時間に習った“作用・反作用”で考えると、ブレーキシューがリムを押す時、同じだけの力でリムはシューを押し返しているのです。「そぅ言われてもイマイチわかりにくい・・・」ですね。単純に考えて、「シューがはさみ込んでもリムがペシャっとつぶれないなら、リムは同じ力で押し返しているはずだ」ということで納得して下さい
シューでリムをはさみ込むと、押されたリムは「何すんねん!?」とばかりにシューを押し返します。押し返されたシューはブレーキ本体を押して。押されたブレーキ本体は自分がくっ付いているフレームを押そうとします。
あぁ・・・理屈っぽくなって来た・・・。もう少々お付き合い下さいね。

つまり必死にブレーキレバーを握っているにもかかわらず、その力はリムを挟み込む事だけでなく、フレームを押し広げる事にも使われているのです。そんな力には負けない頑丈なフレームなら良いのですが、軽量かつしなやかに作られたトラ車のフレームは、ブレーキの力に負けてグイグイと押されてしまいます。
「ブレーキをかけよう!」と必死にブレーキレバーを握りこんだ力が、実はフレームを横に押し広げる力に使われている・・・、そんな悲しい話はないですね。

 スタビライザーはこのフレームの開きを抑える物です。スタビが無いとブレーキレバーを力いっぱい握りこんだ時に「ブヨブヨ」感がありますが、スタビを付けるとこれが「カチッ」とした感触になります。力が逃げないなら当然効きもよくなります。
ただ、あまりに「ガチッ」としたタッチだと乗っていて疲れるという意見も有ります。ちょっとくらいレバーが握りこめたほうが良い、と。これは好みの問題ですね。
スタビライザーにはブレーキ台座のダメージを軽くする効果もあるので出来る限り使って欲しいです。MAGURAを使用している場合、運悪くブレーキ廻りをぶつけた時にホースが切れるのを守ってくれたりもします。

柔らかいフレームだと、フレームスタビライザー=左右のフレームがバラバラに動く事を抑える効果もかなり期待出来ます。高い飛び降りの後にスタビが折れた!なんていうウソみたいな話もあります、それだけ大きな力を受け止めてくれているということですね。

   

 ブレーキスタビライザーについて。