KENDA − ケンダ
TELONIX テロニックス 26x2.4


 2007年から展開する「LEGEND of the SPORT」シリーズ。KENDAの成長に大きく関わってきたジョン・トマックをはじめとする、マウンテンバイク界のお歴々に捧げるシグネィチャーシリーズという何とも粋な企画です。引退してから自分の名前を冠したモデルが出てくるっていうのは、現役バリバリの時期に作られるよりも光栄なことなんじゃないかなと思います。
  最初にこのタイヤを付けて、平地や角でポンポンと乗ってみた第一印象は「何じゃ、こりゃ」でした。ドッシリしたタイヤの割にはコシが弱いので高圧にして乗る必要あり。高圧で乗るのは個人的に好きなのですが、このタイヤ、高圧らしい「ぽ〜ん!」というハネが無くて何ともモッチャリとした乗り味。
「いやいや、ほら、ハンズの事だからトータルで良く出来てるに違いない!」という事で、今度は斜面へ…。
で、ズルズルと崩れる位のの斜面を攻めるとこれまたイマイチ。ショルダーが張り出してる事はかならずしも斜面でのグリップには関係しないと再確認・・・。

「ハンズのおじちゃん、どうしちゃったの?」やっぱりオールドスクールなライダーには現代の流れには着いてこれないのか・・・と淋しく思いながら岩場へ…。岩場で乗っても、やっぱり「ガツン!」と蹴り込んだ後のハネ返りの遅さにウナりながらポンポンと乗っていると、ふとした瞬間に予想以上に「ぽえ〜ん♪」とハネるのにビックリ!。 要は、速いハネ返りなんて最初っから期待しちゃダメなんですね。そういうタイヤじゃあないという事でしょう。だいたい、トライアル専用!として作ってるなら、DTCコンパウンドじゃなくてSTICCk−Eコンパウンドを採用するはずですしね。
ペダルを「ガツン」と蹴って強く速くハネ返るなら、その分身体も速く動く必要があります。当然シンドイし身体能力も求められます。そう考えると、このタイヤ、コシが無いおかげで、ハンドルをちょっと引っ張ってやるだけでもそこそこにタイヤがツブれて、身体の動きなんて特に意識せずに「よいしょっ」と飛べば、「ぽえ〜ん♪」とゆっくり大きくタイヤがハネてくれるので楽チン&快適。平地からのパラレルやダニパラなどのテクニックでも、中-高圧に設定しとけば勝手にヘコんで勝手にハネてくれます。「タイヤなんて意識しなくても、程よいスローテンポでぽえ〜ん♪とハネる」あんまり小難しいテクニックなんて考えずに「とにかく楽しみたい!」ライダーさんには最高のタイヤです。
また、このタイヤ「衝撃の吸収」だけを考えるなら今まで使ったKENDAの中で一番の性能です。「静かに飛び降りる」のはもちろん、「ちょっと無理してバイクをヒネリながら着地」なんて時にも、狙った位置に「シタっ」と止まって余分な揺り返しも無し。
吸収力が違う!というのは、根っこの飛び出た山道とかガレ場での安定感にもつながります。「トライアルを基本とした山アソビ」を考えるなら、リアタイヤにはもってこいですね。
乗り方によってはトライアルでも快適。 高圧で乗るのが前提だから、長距離ライドもイケる。 マルチに使えるタイヤのお手本ですね。
やっぱりあなたはスゲェよ、ハンズ。